判じ紋 〜酒器〜
「判じ紋」は江戸時代の謎解き「判じ絵」を「紋」で表現したイラストなぞなぞです。「判じる」とは、「推しはかって考える。判断する」こと。推測し、考え解くこと。
当時の浮世絵師は日本地図や人気役者、動植物や生活用品など、様々な題材を「判じ絵」として取り上げ、ユーモアたっぷりに判じていました。
今回展示する「判じ紋」では、江戸時代の判じ方を元にしながら、「酒器」を題材に判じ紋を制作しました。
判じ絵は「こうでなくてはならない」という厳密なルールは有りませんが、解き方にはいくつかの法則のようなものが存在します。下記にその一部を紹介します。
洒落
単純に言葉の音を頼りに考えるもの。「あり」が「十匹」で、「ありがとう」になる。
中抜き
絵の一部が消えていたり、絵の中に他の絵や文字が入っているもの。「かばん」の絵の真ん中が消えていたら「かん」に、消えた部分に「り」が入っていたら「かりん」に、かばんの下部が消えている場合は「かば」になる。
濁点・半濁点
絵に「゙」や「゚」が付いている場合は濁点・半濁点を付与する。「猿」の絵に「゙」が付いている場合は「ざる」になる。
今回使用した基本となる「紋」は栗紋、千鳥、胡桃紋、榊紋です。基本の解き方と基本となる紋を元に、江戸時代の庶民の遊びをお楽しみください。
- organizations:JAGDA長野
- art directer:溝口 諒
- designer:溝口 諒